歩けない、痛がる…それ、椎間板ヘルニアかも?

はじめに
「急に足を引きずるようになった」「歩き方がふらついている」「抱っこしたらキャンと鳴く」――
そんな症状が見られた時、疑われる重い病気のひとつが椎間板ヘルニアです。
進行が早いこともあるため、放置せず、気付いたらすぐに診察を受けることが大切です。
目次
椎間板ヘルニアって?
背骨の間には「椎間板」というクッションの役割をする軟骨があります。
この椎間板が飛び出して、神経(脊髄)を圧迫することで、痛みや麻痺などの症状が現れる病気です。
犬でよく見られますが、猫でも発症することがあります。
- 急に歩けなくなる、立てなくなる
- 後ろ足を引きずる
- 抱き上げると強く痛がる、鳴く
- 排尿・排便がうまくできなくなる(重症例)
- 片足だけが麻痺する場合も
治療について
椎間板ヘルニアの治療は、発症の重症度や症状の進行度によって異なります。
- 軽度の場合は、安静とお薬による内科治療(消炎鎮痛薬、神経保護薬など)で回復することもあります。
- 中~重度や急激に進行する場合は、外科手術(椎間板物質の摘出など)が必要になることもあります。
- 発症直後や歩行不能になった場合は、早急な診断・治療開始が回復のカギです。
- 回復後もリハビリや体重管理が重要です。
おうちで気をつけたいこと
- 自宅ではできるだけ安静にし、滑りやすい床や段差に注意しましょう
- 抱っこや移動時は、背中をまっすぐに保つように優しくサポート
- 体重管理・運動制限で再発予防を
- 発症時や悪化時はすぐに動物病院へ
- 症状が改善しても、医師の指示があるまでは勝手に薬をやめないでください
治療で使われる主な薬と副作用
消炎鎮痛薬(痛みや炎症を抑えるお薬)
非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)
例
メロキシカム(メタカム®)、ロベナコキシブ(オンシオール®)など
作用
痛みや炎症を抑え、動物のQOL向上をサポート
副作用
胃腸障害(吐き気、下痢)、腎臓や肝臓への負担
ステロイド薬
作用
強い炎症や浮腫を抑える(重症時や手術前後など)
副作用
多飲多尿、免疫力低下、長期投与で副作用が増えるため慎重に使用
神経保護薬・ビタミン剤
ビタミンB群製剤
作用
神経の修復や回復を助ける補助的なお薬
副作用
ほとんどありませんが、アレルギー反応などごく稀に
抗けいれん薬(発作や筋けいれんが起きた場合)
例
ガバペンチン
作用
神経の興奮を抑え、痛みやけいれんを軽減
副作用
眠気、ふらつき
その他(重症例や合併症に応じて)
抗生剤
作用
感染症が疑われる場合に使用
点滴療法
作用
脱水や内臓へのサポートが必要な場合に
まとめ
椎間板ヘルニアは、早期発見と適切な治療で回復の可能性が高まる病気です。
特に歩けなくなった場合は一刻も早く動物病院にご相談ください。
普段から足腰への負担を減らす生活も大切です!

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