犬の子宮蓄膿症――避妊していない女の子に多い、命に関わる病気

はじめに

「愛犬の元気がない」「お腹が膨らんできた」「おりものが多い・陰部から血が出てる・変なにおいがする」――
そんな症状がみられたら、「子宮蓄膿症」を疑う必要があります。
避妊手術をしていない中高齢の雌犬でとても多い、命に関わる病気です。

目次

子宮蓄膿症って?

子宮蓄膿症は、子宮の中に膿(うみ)がたまってしまう病気です。
発情(ヒート)後、子宮が細菌感染を起こしやすい状態になることで発症します。
膿がたまると子宮が大きく膨れ、細菌や毒素が全身に回るとショック状態や命の危険につながります

  • 元気や食欲の低下、ぐったりしている
  • 水をよく飲む、おしっこの量が増える
  • お腹が膨らむ
  • 外陰部からおりもの(膿)が出る(出ない場合も多い=閉鎖型蓄膿症)
  • 発熱や嘔吐、下痢
  • 重症化すると脱水やショック、意識低下、死亡例も

症状がはっきりしないこともあり、「年のせい」と見過ごされやすいのが危険ポイントです。

治療について

すぐに手術(卵巣・子宮摘出)」が基本です。

  • 手術前に点滴や抗生剤で体調を整える
  • 手術ができない場合、ホルモン治療や抗生剤で一時的に改善を図ることもあるが、再発や命の危険が高い
  • 早期手術なら多くの犬が元気に回復します

おうちで気をつけたいこと

  • 「ヒート後しばらくして元気や食欲が落ちた」「お腹が膨れた」「おりものが出る」など異常にすぐ気づく
  • 避妊手術をしていない雌犬は特に注意
  • 高齢犬や持病のある子は、より早めの受診・相談を
  • 予防のためには避妊手術がもっとも確実です

治療で使われる主な薬と副作用

外科治療

卵巣子宮全摘出術(避妊手術)

作用
感染した子宮と卵巣を摘出し、命に関わる感染症を根本から治療します。最も一般的かつ推奨される治療法です。
副作用
麻酔リスク、術後の痛みや腫れ、まれに出血・感染など。
抗生剤(手術前後や保存的治療の場合)

アモキシシリン・クラブラン酸、セファレキシン、エンロフロキサシンなど

作用
細菌感染を抑え、全身状態の安定や術後感染予防に使います。
副作用
下痢、食欲不振、嘔吐、まれにアレルギー反応や肝臓への負担。

子宮収縮薬・プロスタグランジン製剤(保存的治療時、主に猫や繁殖犬)

ジノプロスト、クロプロステノールなど

分類
プロスタグランジンF2α製剤
作用
子宮の収縮を促し、膿の排出を助けます。
副作用
嘔吐、下痢、腹痛、不安、呼吸促進、まれにショック(特に犬では一般的な第一選択ではありません)。
輸液・点滴

点滴(補液)

作用
脱水やショックの予防・治療、全身管理に使用されます。
副作用
過剰投与でむくみや肺水腫(病院管理下で注意)。

まとめ

子宮蓄膿症は避妊していない中高齢の雌犬で非常に多く、命に関わる重篤な病気です。
「ちょっと元気がないな」「変なにおいのおりものがある」と感じたら、様子を見ずにすぐに動物病院でご相談ください。
早期の診断・手術で多くの子が元気を取り戻せます。

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