耳をかゆがる、臭い…もしかして“外耳炎”かも?

はじめに
外耳炎(がいじえん)は、犬や猫でとてもよくみられる「耳のトラブル」です。
かゆみや赤み、臭い、耳垢の増加などで来院されることが多い病気で、慢性化しやすいのが特徴です。
目次
外耳炎って?
外耳炎とは、「外耳道」(耳の入り口から鼓膜までの部分)に炎症が起こる病気です。
細菌や真菌(マラセチア)などの感染、アレルギー、異物(草の種など)、耳ダニ、湿気や耳の構造的な問題など、原因はさまざまです。
- 耳をかゆがって掻く、頭を振る
- 耳の内側が赤い、腫れている
- 耳垢が増える(茶色、黒色、黄色など)
- 耳から嫌な臭いがする
- 耳を触られるのを嫌がる
- ひどくなると痛みで元気・食欲がなくなる
治療について
- 原因に応じた耳の洗浄と薬剤投与(点耳薬)
- 抗生剤、抗真菌薬、抗炎症薬入りの点耳薬を使い分けます
- 外耳道の洗浄
- 動物が嫌がる場合や、耳道が狭い・大量の耳垢がある場合は鎮静下で行うこともあります
- 全身治療(必要時)
- 重症例や慢性例、アレルギーが関与する場合は内服薬(抗炎症薬・抗生剤・アレルギー薬など)を併用することもあります
- 基礎疾患(アレルギー、内分泌疾患など)があれば、その治療も同時に行います
日常で気をつけたいこと
- 耳掃除は「やりすぎない」ことも大切です(逆に傷や炎症が悪化することがあります)
- 水遊びやシャンプー後は、耳の中をしっかり乾かしましょう
- かゆみや臭い、耳垢の異常に気づいたら早めに動物病院を受診しましょう
- 慢性化・再発しやすいので、再発防止のために定期的なチェックやケアが大切です
治療で使われる主な薬と副作用
点耳薬(耳の中に直接入れる薬)
オスルニア
作用
抗生剤(フロルフェニコール)、抗真菌薬(テルビナフィン)、ステロイド(ベタメタゾン)を配合した総合点耳薬。犬の細菌性・マラセチア性外耳炎で使われます。
副作用
まれに耳の赤み・かゆみ、耳道の一時的な腫れ。
ネプトラ
作用
抗生剤(フロルフェニコール)、抗真菌薬(テルビナフィン)、ステロイド(モメタゾン)を配合した総合点耳薬。犬の外耳炎に1回の投与で長期間効果が持続する設計。
副作用
同上。まれに耳道の腫れや一時的な炎症。
モメタオティック
作用
主成分モメタゾン(ステロイド)+抗生剤(ゲンタマイシン)+抗真菌薬(クロトリマゾール)を配合した総合外用薬。細菌・真菌両方に有効。耳道の炎症や腫れ、かゆみを抑える。
副作用
長期連用で皮膚の萎縮や耳道の薄化。まれにアレルギー反応。
ミミピュア
作用
オフロキサシン(ニューキノロン系抗生剤)、ケトコナゾール(抗真菌薬)、トリアムシノロンアセトニド(ステロイド)を配合した総合外用薬。細菌・真菌・炎症に対応。
副作用
まれに耳の刺激感や赤み、かゆみの悪化。
ミミィーナ
作用
ピマリシン(ポリエン系抗真菌薬・ナイスタチン系に近い)配合の抗真菌薬単剤。マラセチアやカビが原因の外耳炎に特化。
副作用
まれに刺激感、赤み、かゆみ悪化。
内服薬
抗生剤(アモキシシリン、セファレキシンなど)
作用
重度や広範囲感染、外耳道の腫れが強い場合に補助的に使用。
副作用
下痢、嘔吐、アレルギー。
抗真菌薬(イトラコナゾールなど)
作用
真菌感染が点耳薬のみで改善しない場合や全身性の場合に。
副作用
食欲不振、肝機能障害、嘔吐。
ステロイド(プレドニゾロンなど)
作用
強い炎症や腫れ、かゆみを全身的に短期で抑える。
副作用
多飲多尿、免疫抑制、肝機能障害(長期で)。
耳洗浄剤
エピオティック
作用
耳の中の皮脂や細菌・真菌の増殖環境をリセットし、薬効を高める。
副作用
ごくまれに刺激感、赤み、乾燥。
まとめ
外耳炎は、早期発見・早期治療と定期的なケアがとても大切な病気です。
耳を気にするしぐさ、臭い、耳垢の増加などの症状がみられたら、無理に自宅で処置せず、動物病院へご相談ください。

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