吐出・嘔吐のときに疑われる病気

目次
セルフチェックリスト
吐出・嘔吐に気づいたら、以下の項目を順にチェックしてみましょう。
Q1
吐く前に腹部がギュッと収縮したり、よだれ・口をくちゃくちゃする様子など“前触れ”がありますか?
Q2
嘔吐が急性・頻回で、吐いたものに血や異物(草・ヒモ・骨など)が混じる、またはぐったりしている?
Q3
下痢・発熱・脱水など全身症状を伴う?
Q4
慢性的に繰り返す嘔吐、体重減少や多飲多尿など他の慢性症状がある?
Q5
新しい食べ物や早食い・車酔いなど、明らかな誘因がある?
Q6
薬を使い始めてから嘔吐が出た?
Q7
神経症状(けいれん、ふらつき、意識障害)や前庭症状(ふらふら歩くなど)がある?
Q8
食べ物や水を飲み込んだあと、すぐに未消化のまま吐き出してしまうことが多い?
Q9
検査や症状から、食道が狭くなっている・異物や腫瘍による“詰まり”が疑われる?
各分岐ごとの鑑別疾患
A
急性重症嘔吐(胃拡張・胃捻転・閉塞など)
- 胃拡張
- 胃捻転
- 異物閉塞
- 胃潰瘍
- 消化管穿孔
B
感染症・中毒・重症胃腸炎
- ウイルス性胃腸炎(パルボウイルス、コロナウイルス、ロタウイルスなど)
- 細菌性胃腸炎(サルモネラ、カンピロバクターなど)
- 寄生虫感染(ジアルジア、コクシジウム、回虫、鉤虫など)
- 食餌性中毒
- その他中毒(植物、薬品、化学物質など)
C
内臓疾患・代謝性疾患・腫瘍
- 慢性腎不全
- 慢性肝疾患
- 膵炎
- 胆管肝炎
- 脾捻転・精巣捻転
- 消化管腫瘍
- 内分泌疾患(甲状腺機能亢進症、アジソン病、糖尿病など)
D
一過性・軽度の嘔吐・消化不良
- 早食い・食べすぎ
- 新しいフードやおやつ
- 車酔い
- 毛玉(特に猫)
- 環境の変化
- ストレス
E
薬剤性嘔吐
- 抗生剤
- NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)
- 抗がん剤
- その他薬剤
F
中枢性・神経性嘔吐
- 前庭疾患
- 脳腫瘍
- 髄膜炎・脳炎
- 水頭症
- 頭蓋内圧亢進
G
閉塞
- 食道狭窄
- 食道異物
- 食道腫瘍
- 右大動脈弓遺残
H
運動機能低下(運動障害)
- 特発性巨大食道症
- 重症筋無力症
- 食道炎
- 多発性神経障害
- 副腎皮質機能低下症
まとめ
動物が吐く原因には、胃や腸のトラブルだけでなく、全身のさまざまな病気が関係していることがあります。
食べすぎや一時的な体調不良で軽く済むこともありますが、何度も吐いたり、ぐったりしていたり、血が混じる場合などは注意が必要です。
特に「何度も吐く」「水を飲んでもすぐ吐く」「元気や食欲がない」「血が混じる」といった症状があるときは、
命に関わる重大な病気が隠れている可能性もあります。
大切なのは、「嘔吐はよくあること」と軽く考えず、様子を見ていいのか、早めに動物病院に相談することです。
動物の体調や症状の変化に気づいたときは、できるだけ詳しく状況を記録し、受診時に伝えると診断の助けになります。

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