便秘・排便困難・いきむ時に疑われる病気

目次
セルフチェックリスト
便が出てないなと思ったら、以下の項目を順にチェックしてみましょう。
Q1
ここ数日間、排便がまったく見られない?便をしようとしない?
Q2
食欲が低下している、全く食べていない?
Q3
排便時に痛みがある?肛門やその周囲を触ると嫌がる?
Q4
明らかな神経・筋の障害(後肢麻痺、尻尾や肛門周囲の感覚低下など)はある?
Q5
強い便意・しぶりがある?
Q6
排便時に血や粘液が混じる、下痢や腹痛を伴う(炎症性)?
Q7
排便時に便が出にくい・細い・回数が増える、もしくは一部しか出ない(閉塞性)?
Q8
トイレで何度もいきみ、痛みやうんちが出ないといった症状がある?
Q9
どの項目にも強く当てはまらない/経過観察中?
各分岐ごとの鑑別疾患
A
痛み
- 肛門嚢膿瘍
- 肛門周囲瘻孔
B
神経筋障害
- 脊髄S1-S3損傷
- 会陰神経障害
- 多発性神経障害
- 平滑筋機能不全
C
空/拒食症
- 拒食症(Anorexia:まったく食べていない場合)
D
炎症性疾患
- 大腸炎
- 直腸炎
E
閉塞性疾患
- 狭窄(腸管や肛門部の狭窄)
- 閉塞性腫瘍
- 骨盤腔の狭窄(骨折後など)
- 前立腺肥大(過形成・膿瘍・腫瘍)
- 会陰ヘルニア
- 便秘
F
非炎症性刺激・機械的/機能的刺激
- 過敏性腸症候群
- 肛門括約筋腫瘍などの機械的刺激
G
その他・一過性便秘
- 軽度で一時的なストレス
- 水分・食物繊維不足等による便秘
- 特記すべき異常所見なし
まとめ
便秘や排便困難、いきみは「少し様子を見ていいかな?」と思いがちですが、腸や肛門のトラブル、骨盤・神経の問題、全身の病気などさまざまな原因が考えられます。
「何日も便が出ていない」「いきんでいるのに便が出ない」「元気や食欲がない」「痛がる」などの症状がある場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
排便の回数や便の硬さ、様子、症状の経過などを記録していただけると、診断の助けになります。
大切なご家族の健康を守るため、気になることがあればいつでもご相談ください。

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