進行が早い皮膚・口腔のがん、扁平上皮癌

目次
扁平上皮癌って?
扁平上皮癌は、皮膚や口の中、鼻腔、耳、指、眼など、体表や粘膜の「扁平上皮細胞」ががん化した悪性腫瘍です。
犬より猫で発生しやすく、特に猫の口腔内(舌・歯肉・口蓋)や鼻、皮膚によくみられます。
進行が早い場合もあり、周囲の組織を破壊しながら大きくなる特徴があります。
- 口腔内
口臭、よだれ、出血、痛み、食欲不振、口の中のしこり・潰瘍・崩れる病変 - 鼻腔・顔
鼻出血、くしゃみ、顔の腫れ・変形 - 皮膚・耳
非対称な腫れ、かさぶたや潰瘍、慢性的な傷・赤み・出血 - 指・爪床
腫れ、指先の変形、歩行障害 - 進行例
顔や顎の骨への浸潤、リンパ節転移、元気消失、体重減少
治療について
- 外科手術(広範囲切除や骨切除)
できるだけ広いマージンでの摘出が原則。口腔・鼻腔型では顎骨の一部切除も選択される。 - 放射線療法
手術困難例や再発例、局所コントロール目的 - 抗がん剤治療(カルボプラチン、ドキソルビシン、シスプラチン、パクリタキセルなど)
単独での効果は限定的だが、補助療法や転移抑制に使用 - 支持療法
痛み止め、抗生剤、栄養管理、口腔ケア - 最新の試みとして、分子標的薬や免疫療法の研究も進行中
日常で気をつけたいこと
- 口の中や鼻、皮膚・耳のしこり・傷・潰瘍を毎日チェック
- 猫・高齢動物・慢性炎症持ちの部位は特に注意
- 早期発見・早期受診が最重要。術後も定期検診を継続
- 痛みや食事の工夫など、日々のQOLサポートも大切
治療で使う主なお薬と副作用
カルボプラチン/シスプラチン(白金製剤)
作用
DNA損傷でがん細胞死滅
副作用
骨髄抑制、腎障害、嘔吐・下痢、脱毛
ドキソルビシン
作用
DNA合成阻害
副作用
骨髄抑制、心毒性、嘔吐、脱毛
痛み止め(NSAIDs、オピオイドなど)
作用
疼痛緩和、炎症抑制
副作用
胃腸障害、腎障害(NSAIDs)
予後(生存期間)
全体的に進行が速く、再発しやすい腫瘍
QOL維持と疼痛管理が治療の大きな目標となることが多い
口腔内型(特に猫)
発見が遅れやすく、手術や放射線治療をしても中央値2~4ヶ月(早期発見・広範囲切除で延命も可能)
皮膚型(耳介や鼻など)
早期発見・完全切除で長期生存も
鼻腔・指型
局所再発や転移が多く、数ヶ月~1年未満の例が多い
まとめ
扁平上皮癌は犬猫の体表・口腔・鼻など“見える場所”にできやすい悪性腫瘍です。
進行が速く、再発や痛みを伴うことも多いため、小さな傷やしこりも油断せず早めの受診が大切です。
治療・ケアの進歩でQOLを守れる例も増えているので、まずは相談してください。

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