進行が早いがん・悪性黒色腫を知ろう!

目次
悪性黒色腫って?
悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚や粘膜、口腔内などにできる“メラニン色素を作る細胞(メラノサイト)”ががん化した腫瘍です。
犬で特に発生が多く、口腔内(歯茎や舌、口の粘膜)、足の指、皮膚、眼の中など様々な場所にできます。
猫でも皮膚や眼、口腔内にできることがありますが、犬ほど頻度は高くありません。
- 口腔内
歯茎・舌・口唇にできる黒い~無色のしこり、口臭、出血、よだれ、食欲不振、口の痛み - 足の指・爪床
しこり、腫れ、爪が抜ける、痛みで歩きにくい - 皮膚
黒いしこりやできもの。色素が目立たないことも - 眼球
虹彩や眼球内のしこり、充血、失明 - 進行例:リンパ節や肺などへの転移、体重減少、元気消失
治療について
- 外科手術(広範囲切除)
特に口腔内や指の腫瘍は広いマージンで摘出が基本 - 放射線療法
手術困難例や局所再発例、口腔内腫瘍で補助療法として有効 - 抗がん剤治療(カルボプラチン、シスプラチン、ドキソルビシンなど)
転移抑制・再発予防に使われるが、単独での効果は限定的 - 支持療法
痛み止め、栄養管理、抗生剤など
日常で気をつけたいこと
- 口の中や指、皮膚の黒いできもの、しこりに気付いたら早めに診察を
- 術後も再発・転移に備えて定期検診を継続
- 食欲・元気・歩き方など小さな変化も見逃さない
- シニア期の口腔ケア・日々のスキンシップも大切
治療で使う主なお薬と副作用
カルボプラチン/シスプラチン(白金製剤)
作用
がん細胞のDNAを損傷して死滅させる
副作用
腎障害、骨髄抑制(白血球・血小板減少)、嘔吐、下痢、脱毛
ドキソルビシン
作用
DNA合成阻害。転移や進行抑制を目的に使用
副作用
骨髄抑制、心毒性、嘔吐、脱毛
予後(生存期間)
犬の口腔内悪性黒色腫
外科切除+補助療法ありで中央値6~12ヶ月
切除できない進行例は3~5ヶ月未満
皮膚型(低悪性度)
手術で長期生存例もあり
指・爪床・口腔・眼型
転移しやすく、再発・予後不良が多い
猫の黒色腫
悪性度が高く、数ヶ月以内に進行するケースが多い
まとめ
悪性黒色腫(メラノーマ)は早期発見・積極的治療がとても大切な腫瘍です。
「しこり」「黒いできもの」「口や指の異変」など気になる症状があれば、すぐ動物病院にご相談ください。
治療の進歩によりQOLを保ちながら過ごせるケースも増えています。

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