愛犬・愛猫が突然倒れた!――てんかん発作

はじめに
「突然、わんちゃん・ねこちゃんが倒れて手足をバタバタさせる」「一時的に意識がなくなる」――
こうした症状がみられた場合、てんかん発作の可能性があります。てんかん発作は命に関わることもあるため、早期発見・早期治療が大切です。
目次
てんかん発作って?
てんかん発作とは、脳の神経が異常な電気信号を出すことで起こる病気です。
犬猫では、意識消失・痙攣・よだれ・失禁などがみられることが多いです。特に犬では遺伝的素因や脳の異常が原因となることもあります。
- 急に倒れる、全身が硬直してガクガクとけいれんする
- 口をくちゃくちゃさせたり、泡をふく
- 失禁や脱糞
- 発作後しばらくぼんやりしたり、混乱する
- 走り回る、壁にぶつかるような異常行動
治療について
てんかん発作の治療は、基本的に生涯にわたるお薬での管理が中心です。
多くの場合、手術による根本的な治療はできません。
発作をコントロールすることで、普段通りの生活を送れるようにサポートします。
- 多くのケースでは毎日抗てんかん薬を飲み続ける必要があります。
- 原因が脳腫瘍や重い炎症の場合は、追加の治療(外科手術やステロイド、抗腫瘍薬など)が検討されますが、特発性てんかん(原因不明)の場合は薬だけでコントロールすることがほとんどです。
- 発作が急に連続して起こる場合は、緊急対応(座薬や噴霧、注射で発作を止める)が必要です。
- 治療開始後も定期的な血液検査や発作回数の記録が大切です。
おうちで気をつけたいこと
- 発作時は無理に抑えず、ケガをしないよう安全な場所で様子を見る
- 発作の回数や持続時間をメモ・動画で記録すると診断の助けに
- 薬を自己判断で中止しない(中止すると発作が悪化することがあります)
- 定期的な通院と血液検査を必ず受けましょう
- 緊急時(発作が止まらない、何度も繰り返す)はすぐ動物病院へ
治療で使われる主な薬と副作用
抗てんかん薬(発作を抑えるお薬・維持療法の中心)
フェノバルビタール(フェノバール®)
作用
脳の興奮を抑えて発作を防ぐ、最もよく使われる基本のお薬。
副作用
肝臓への負担(肝障害)、多飲多尿、眠気、ふらつき、体重増加。定期的な血液検査が必要です。
ゾニサミド(エクセグラン®/ゾニサミド®)
作用
脳神経の過剰な活動を抑え、発作の回数を減らします。
副作用
食欲不振、嘔吐、まれに肝障害。副作用が比較的少なめ。定期的な血液検査が必要です。(投薬後3〜6時間後の血中濃度が低下しているときに測定)
臭化カリウム(KBr)
作用
他の抗てんかん薬と一緒に使われ、発作抑制を補強します(特に犬)。
副作用
ふらつき、吐き気、多飲多尿、長期使用で膵炎リスク。猫には禁忌(呼吸障害)。
レベチラセタム(イーケプラ®)
作用
新しいタイプの抗てんかん薬で、脳の異常な電気信号を抑えます。肝臓や腎臓が悪い子にも使いやすい。
副作用
一時的な元気消失、食欲低下など。比較的副作用は少ないです。
ガバペンチン/プレガバリン
作用
他の薬だけでは発作が十分に抑えられない場合の補助薬として使用します。
副作用
眠気、ふらつき。
緊急時に使う薬(発作が止まらない時・重積発作時)
ジアゼパム(ダイアップ®)
作用
急な発作時に座薬や点鼻薬、注射で使い、発作を素早く止めるお薬。ご家庭での緊急用としても使われます。
副作用
眠気、ふらつき。猫ではまれに肝障害。
レベチラセタム(イーケプラ®注射)
作用
急性期でも使える注射薬。副作用が少なく、重度の発作にも使用されます。
副作用
一時的な元気消失、軽いふらつき。
プロポフォール(動物病院での静脈注射)
作用
どうしても止まらない重積発作時に、全身麻酔薬として一時的に脳を落ち着かせます。
副作用
呼吸抑制、低血圧。入院管理下でのみ使用。
その他(原因疾患への治療薬など)
副腎皮質ステロイド薬
作用
脳炎や炎症性疾患が原因の場合、炎症を抑えるために使うことがあります。
副作用
多飲多尿、食欲増進、免疫力低下、長期使用で皮膚の菲薄、糖尿病やクッシング症候群など副作用が多いため慎重に使用します。
抗腫瘍薬・外科治療
作用
脳腫瘍などが原因の場合は、腫瘍への直接治療(抗がん剤や手術)が必要なこともあります。
まとめ
てんかん発作は、適切に治療を続ければ普段通りの生活も可能です。
薬の管理と定期的な検査、そして発作の観察がとても大切です。
「初めて発作が起きた」「発作が増えてきた」と感じた時は、早めにご相談ください。

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