甲状腺機能低下症――元気がない、太ってきた、毛が抜ける…それはホルモンの病気かも?

はじめに
「最近、愛犬がなんとなく元気がない」「よく寝るようになった」「太りやすくなった気がする」「毛がごっそり抜けて、なかなか生えてこない」――
そんな様子が続くと、年齢のせいかな?と思いがちですが、
実は「甲状腺機能低下症」というホルモンの病気が隠れていることがあります。
目次
甲状腺機能低下症って?
甲状腺機能低下症は、首のあたりにある甲状腺という臓器がうまく働かなくなり、「甲状腺ホルモン」が不足することで起きる病気です。
このホルモンは体の代謝(エネルギーを使うスピード)をコントロールしているため、不足するとさまざまな体調不良を引き起こします。
- 元気がなくなり、動きがゆっくりになる
- 体重が増える(太りやすくなる)
- 毛が抜けやすくなり、皮膚が厚くなったり色素沈着する
- 毛艶の悪化、乾燥したフケが増える
- 皮膚の感染症が繰り返される
- 体温が下がる、寒がりになる
- 場合によっては貧血や神経症状(無気力、意識がぼんやり)も
「年のせいかな?」と思ってしまいがちですが、治療で元気を取り戻せる病気です。
治療日ついて
しっかり治療すれば、多くのワンちゃんは元気と毛艶を取り戻し、普通の生活を送ることができます。
- 不足したホルモンを補う「甲状腺ホルモン剤(レボチロキシン)」の内服
- 生涯にわたり、毎日決まった量を飲み続ける必要があります
- 定期的な血液検査で投薬量や体調のチェック
おうちで気をつけたいこと
- 体重や活動量、皮膚・毛の状態をよく観察する
- お薬は必ず獣医師の指示通りに継続する
- 急な体調変化や元気消失があればすぐに相談
治療で使われる主な薬と副作用
甲状腺ホルモン補充薬
レボチロキシンナトリウム(チラージン®、サイロタブ)
作用
不足した甲状腺ホルモン(T4)を補い、全身の代謝を正常化します。
副作用
適正量での副作用はほとんどありませんが、過剰投与で多飲多尿、興奮、呼吸が荒くなる、食欲増加や体重減少、まれに下痢や嘔吐、頻脈、不整脈などがみられることがあります。
※投薬開始後2~4週間で、甲状腺ホルモン値(T4)、症状の改善、肝臓・腎臓などの健康チェックを行います。
皮膚・被毛のケアに使われる薬やサプリメント
オメガ3脂肪酸、ビタミンE
作用
皮膚や被毛の健康維持をサポート。
副作用
ほとんどなし。
抗生剤、抗真菌薬
作用
皮膚感染や外耳炎が併発した場合に対症的に使用。
まとめ
犬の甲状腺機能低下症は、「なんとなく元気がない」「太ってきた」「毛が抜ける」など、年齢や体質のせいと思われやすい症状が出るホルモンの病気です。
しかし、治療すれば多くの犬が元気に過ごせます。
「最近ちょっとおかしいな?」と思ったら、早めに動物病院でご相談ください。

コメント