アジソン病(副腎皮質機能低下症)――“なんとなく元気がない”の奥に隠れる重い病気

はじめに
最近「なんとなく元気がない」「食欲にムラがある」「お腹をこわしやすい」――
そんな症状が繰り返し現れる場合、もしかしたら「アジソン病(副腎皮質機能低下症)」が隠れているかもしれません。
目次
アジソン病って?
アジソン病は、副腎という腎臓のそばにある小さな臓器がうまく働かなくなり、「コルチゾール」や「アルドステロン」といった大事なホルモンが十分作られなくなる病気です。
これらのホルモンは、ストレスへの対応や体内の水分・ミネラルバランスを保つために欠かせません。
- 元気がない、疲れやすい
- 食欲低下や体重減少
- 嘔吐や下痢、腹痛を繰り返す
- 脱水、震え、ふらつき
- 徐々に症状が悪化する
- 重症化すると「アジソンクリーゼ(ショック症状)」になり、命に関わることも
症状が「なんとなく…」という形で始まりやすく、診断が遅れがちな病気です。
治療について
- 不足しているホルモンの補充が基本
・コルチゾール:プレドニゾロンなどのステロイド薬を内服
・アルドステロン:DOCP(デオキシコルチコステロンピバレート)の注射やフルドロコルチゾンの内服 - ショック症状(アジソンクリーゼ)の場合は緊急の点滴治療とホルモン投与
- 生涯にわたり、定期的なホルモン補充と健康チェックが必要
おうちで気をつけたいこと
- 体調や食欲の変化に日ごろから注意
- 体調不良や元気消失があれば早めに受診
- 急なストレスや病気のときは、ホルモンの追加投与が必要になることも(獣医師の指示を守る)
治療で使われる主な薬と副作用
副腎皮質ホルモン補充薬(ミネラルコルチコイド)
ミネラルコルチコイド(デソキシコルチコステロン酢酸エステル:DOCPなど)
作用
ナトリウム・カリウムなど電解質バランスを整え、脱水やショックを防ぎます。月1回の注射や飲み薬。
副作用
まれに浮腫、多飲多尿、血圧上昇。
※治療後の定期的な血液検査(ナトリウム・カリウム値チェック)が必要です。
フルドロコルチゾン(フロリネフ®など)
作用
同じく電解質バランスを整える錠剤のミネラルコルチコイド薬で、毎日投与が必要です。グルココルチコイド作用も少しあります。
副作用
多飲多尿、食欲増進、高血圧、時に低カリウム血症など。
※毎日投与し、定期的な血液検査が必要。
副腎皮質ホルモン補充薬(グルココルチコイド)
プレドニゾロンなど
作用
体内のストレス反応や代謝のバランスを補います。毎日少量を投与。
副作用
多飲多尿、食欲増加、体重増加、長期投与で免疫力低下や肝臓への負担。
※急性発症時は点滴や高用量投与で命を守る処置を行います。
急性期(アジソンクリーゼ)の治療薬
点滴(輸液療法)
作用
脱水や電解質異常をすばやく補正します。
緊急ホルモン注射(ヒドロコルチゾン、デキサメタゾンなど)
作用
命に関わる危機状態で速やかに効果を発揮。
補助的治療
抗生剤
作用
感染症合併時に対症的に使用。
まとめ
アジソン病は、「なんとなく元気がない」「繰り返す下痢や嘔吐」など、はっきりしない症状が長く続く病気です。
早期発見と適切な治療で、普通の生活を送ることができますので、気になる症状があれば早めにご相談ください。
重症化すると命に関わることもあるため、飼い主さまの「気づき」がとても大切です。

コメント